Ropponmatsu Urban Nature

六本松キャンパスの植物たちブログ篇(新)

旧六本松キャンパス地区・2019年夏

 

 

旧六本松キャンパス地区でまだ唯一建設・移転が終わっていなかった検察庁舎がどうやら完成したようです。

ここに検察庁が移転してくるのは9月17日と聞いていますが、それより早く、外周の緑道部分が開通しました。これで旧キャンパス地区の外周緑道はすべて完成し、一周できるようになりました。

 

検察庁舎部分の緑道には、くるみの木がいます。くるみはだいぶ伐られたようでしたが、元気な幹が残され、いまはあおあおとしています。

 

ニッケイの木もいるのですが、以前から体調がよくなさそうに外から見えていました。

そばに寄ってみましたが、緑の葉はなく、樹皮が浮いていました。

おつかれさま、と言葉をかけるほかありませんでした。

 

すももの木もいたのですが、工事期間中にどうもなくなった様子がありました。緑道開通後にはもういませんでした。

 

外周の植え込みの中にウマノスズクサが残りました。配慮して残していただけたのかちょっとわかりませんが、ところどころから伸び出ています。

きっとジャコウアゲハもまた来てくれるでしょう。

 

 

私は、いまおおよそ2週間に1回ほどのペースで、六本松公園に通っています。

公園に残されている草の世話のためです。キャンパス内に生えていたカンサイタンポポやホタルブクロなどの草が土ごと移植されて残されています。

いま、ツルボの葉が出始めています。花の穂が出ている株も見ました。9月の上旬のうちに咲き出すのではないかと思っています。

通る方々が作業中の私に声を掛けてくださるたびに、ツルボのことをお伝えしています。

 

 

きょう2019年8月31日は、九州大学六本松キャンパスが完全閉鎖される前の最後の日(六本松図書館の閉館の日)からちょうど10年の日です。

10年は、長かったようで短かったようで、しかしやはりとても長かったです。

より長く重い時間を過ごしてこられた地域の方々も多くいらっしゃったはずです。

そして、この時間を越えることができなかった木々草々、10年を待たずに去っていった地域の方々もいらっしゃいました。いまは空の上にいらっしゃる方々も存じ上げています。

 

明日からきゅうに跡地の何かが変わるわけではなく、もういまは「跡地」と呼ばれることも特になく、この場所はあたらしい方々とあたらしい日々をいつものこととして送っています。

そのなかで、時を越えていまも生きて暮らしている木々草々がいます。あたらしく息づいているいのちもたくさんいます。私ももうしばらく、この場所のみどりを見つめてゆくつもりです。

 

(写真をおいおい追加します)