Ropponmatsu Urban Nature

六本松キャンパスの植物たちブログ篇(新)

イヌコウジュとレモンエゴマ

六本松キャンパス跡地で見つけた草です。
イヌコウジュは9月に花が咲いているところを見つけました。

よく似た草が何種類かあるようで(ヒメジソ、シラゲヒメジソなど)、同定に手間取りましたが、いくつかのポイントからイヌコウジュだと見当つけました。


イヌコウジュはシソ科の植物で、山野の道端などに生えるらしいです。見つけたのは構内の北東部、「チョウの来る森」と呼んでいる雑木林の一帯です。9月から10月にかけてその一帯では一面にイヌコウジュの花が咲きました。
葉っぱはかすかな香りがしました。


六本松キャンパスは草ヶ江校区にあり、この付近の昔の地名は「草香江」です。草が香る入り江の意味で、昔はこの一帯が入り江で、あたりには「草はっか」が生えていたと郷土史の本に載っています。
しかし近隣のまちなかでは「はっか」の類いの草は見つけることができません。たまに、シソやハーブが植えられているのを見かけるだけです。

キャンパス構内でイヌコウジュをたくさん見つけて、ひょっとしてこれがその「草はっか」の正体では?と思いました。


まちなかでは昔ながらの草花はどんどん少なくなっていますが(私が観察めいたことをするようになってから10年ほどですが、その間にも減っています)、民家の庭先などで古い植生がたまたま残っていることがあるようです。
六本松キャンパス構内でもそれと同じように、昔の草花が残ってきたのではないかと考えることができそうです。イヌノフグリカンサイタンポポもありますし。


しばらくして、やはり構内の近くの場所で、今度はレモンエゴマを見つけました。名前が横文字っぽいですが、これも在来種のようで、「えごま」の原種とのことです。

葉っぱはレモンバームのような香りがしました。
しかしこの草は構内では1株しか見つけられませんでした。


これらの草が、「草香江」の昔から残っている草なのかどうかははっきりとはわかりませんが、もしそうだとすると、地名の由来を今に伝える生き証人だということになります。


イヌコウジュが見られた場所↓